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続・どう思いますか?「世帯収入と学力の高さが比例する」といわれている件
ライターNaOです。子供を取り巻く環境や社会問題に関心があり、今までにも関連記事をいくつか書いてきました。
● 【社会問題】増え続けるあまりにも残酷な子供への虐待事件。私には何ができるんだろう?
● 7人に1人・・・。日本での「子供の貧困」ってどういうことなんだろう?
● どう思いますか?「世帯収入の高さと学力の高さが比例する」と言われている件!
上の記事を書くにあたって、色々な機関が発表している調査結果や関連書籍をいくつも読みました。見えてくるのは、家庭環境と親の意識・価値観が子供に与える影響の大きさでした。
以前の記事でも参考資料にした、文部科学省の最新の調査結果(平成29年度版)が発表されたので、それを見ながら改めて考えてみたいと思います。
全国学力調査の結果を利用した研究 by文科省
平成29年5月実施の「全国学力・学習状況調査」を受けた全国の公立小学校児童の中から、無作為に抽出された保護者55,167人に対しての調査結果だそうです。SES別にテストの正答率が表にまとめられています。
SESというのは、家庭所得・父親学歴・母親学歴を合成した指標のこと。ざっくり言えば、Highest SESは、所得・両親の学歴の両方が最も高い層。Lowest SES は、その逆で最も低い層ということです。

今回も前回と同様に、国語・算数ともに、Highest SESに属する児童の平均正答率が最も高く、Lowest SESの児童が一番低いという結果に。
前回とほぼ同じ結果で、ここまでくっきりはっきり結果として表れちゃうと、なんだかな~感が・・・。
ちなみに、下はベネッセと朝日新聞社との共同調査での教育費に関する報告。

子供ひとり一カ月あたりにかけている学校以外の教育費(塾・習い事・通信教育など)の平均金額です。小学生に関しては、年々増加の一途!
そして、両親の学歴別に見ると、2018年は父母とも大卒家庭と非大卒家庭では 7,276円の差がありました。
次に同じ調査の中で、その学校外教育費に関してどのぐらい負担を感じるかという質問への回答です。

少しだけ感じるという層も含めれば、負担を感じる層は全体の70.1%!2004年と比較すると、6.5ポイントもアップしています。
負担ですよねー。。。
わが家の場合で言えば、小3長男が
- 公文英語
- スイミング
- 体育
- ベネッセ通信教育(タッチ + オプション教材)
- ボーイスカウト(←習い事かしら?一応入れておきます)
こうやって羅列すると多い(汗)。とはいえ、都内在住のわが家の周辺を見ると、このぐらいの習い事のかけ持ちはザラです。
加えて、保育園年中の娘
- 公文国語
- スイミング
上記が加算されて、一カ月あたりの子供たちの教育費は結構な額になります。
しかも、長男はこれから進学塾への通塾も考えています。そうなると、いくつかの習い事をやめても月の出費は確実に増えます。はぁ~(ため息)。わが家にとって、学校外教育費への負担感は高いです。
しかし、だからと言って削る選択肢もない。ある程度の教育費はかけてあげたいなと考えています。
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うちは、 SES で言えば Highestには入らないと思うので、Upper middle層ぐらいなのかしら。都内在住では、よくある平均的サラリーマン共働き家庭(私は会社員じゃないけど)。それでも負担は感じるので、やはり教育費を出したくても出せないご家庭があるのは当然だろうなと思います。
学校外教育費をかけられるか、かけられないかで子供の学力に差が出ている。前回に引き続いて、これが現実でした。
嘆くばかりじゃない結果も!
今回は、SESと学力との関係だけでなく、「非認知スキル」と学力の関係性についても調査されていました。
非認知スキルとは、最後までやり遂げる力や友達との協力体制、自尊心など。最近「社会で生きる力」なんて呼ばれ方もしています。
非認知スキルは、SESの高低とは関係ないという調査結果でした。
そして、非認知スキルと学力の間には、ゆるやかながら相関関係があり、非認知スキルを向上させることが学力向上にもつながるという見解。
つまり、教育費をかける以外に非認知スキルを伸ばすことが、子供の学力を伸ばす方法にもなるということです。
非認知スキルはどうすれば伸ばせるの?
では、その非認知スキルはどうすれば伸ばせるのでしょうか?
それには、保護者の働きかけが有効とのこと。
具体的には、以下のような働きかけをすることで非認知スキルが伸びる傾向が見られました。
- 子供のよいところをほめるなどして自信を持たせるようにしている
- 子供に努力することの大切さを伝えている
- 子供に最後までやり抜くことの大切さを伝えている
- 毎日子供に朝食を食べさせている
- 地域社会などでのボランティア活動等に参加するよう子供に促している
私は最初にこれを見た時、当たり前のことばかりだと感じました。でも、これらが当たり前じゃない家庭もあるということですよね。朝食を食べる習慣がなかったり、地域とあまり関わりを持ちたくないという考えであったり。
それが、家庭環境や親の意識・価値観の差となって、子供の非認知スキルの差に関係してくるという連鎖です。
小学校の学区を考えて住む場所を選ぶという「公立小移民」が話題になっていますが、教育の価値観が近い家庭、または同じSES層が集まる地域を選んでいるということなんでしょうね。
これらの結果を見て
私は、子供たちがこれからの社会で活躍するには次の3つの力が必要だと考えています。
- 基礎学力
- 生きる力
- 教養
アラフォーである私ぐらいの世代は、1の学力だけが突出して重視されていたように感じます。いわゆる偏差値教育です。
でも、その弊害が出て、2を高めようと(?)ゆとり教育に大きく舵を切ったものの、思ったような効果が出なかった。
そんな過去を踏まえて、今までの価値観が大きく変化していくこれからの社会では、学力と生きる力の両方が必要かと感じています。
加えて、教養。AIやIoTなど、新たな技術がどんどん進化していく中で、芸術や古典など一見無駄にも思える知識が、実は人間らしい細やかな感性のもとになるんじゃないかなーと、個人的には思ったりしています。
だから、この3つをバランス良く子供たちに身に付けさせてあげたいなと考えています。
うーん、子供に言う前に、まずは私がもっと勉強したり教養を磨かないとだわ(汗)そして、働いて教育費も捻出せねばー!
皆さんは、お子さんの教育に関してどのように考えますか?
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