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小5の息子の反抗期にガチ切れして母が家出したはなし
コロナ渦で友人と会う機会がめっきり減り、会社勤めではないわたしは大人との会話が足りません。寂しい毎日を送るライターNaOです。
これまでにない状況で、大人でもストレスを感じます。進級してすぐに休校となり、新しいクラスに馴染む間もなく夏休みを迎えた子どもたちのストレスは相当なはず。
だからこそ子どものやるせない気持ちに寄り添って・・・といきたいところですが、絶賛反抗期中の息子にイライラして、なかなか優しい気持ちが持てません。
『ギャングエイジ?10歳の壁?小4男子の中間反抗期にイライラ』を書いたのが、2019年11月27日だったのでこの問題がすでに半年ほど続いていることになります。
梅雨が明けきらない夏のある日、ついに母の堪忍袋の緒が切れました。
何がどうしたって
特別な事件が起きたわけではないのです。いつものごとく、なかなか勉強を始めようとせずゲーム、Amazon Prime、アニメの録画を見るといった具合にダラダラ過ごす息子。今回こそはと望みをかけていた塾の月例テストは、相変わらずの低空飛行。それなのにまったく危機意識がない様子についついお説教です。
「そろそろ勉強始めてもいいんじゃない?」これでもかなりマイルドに言ったつもりです。
案の定、激しい反撃が始まりました。ぶつぶつ文句を言いながら憮然とした様子で机にノートを放り投げたりトイレの扉を乱雑に閉めたりと、とにかく態度が悪い。冷静さを失い、こちらの口調もきつくなります。
反抗期の子どもとは同じ土俵に立たないことがセオリーと言いますが、どうにもこうにも腹が立つ。
いつもは互いに散々言い合いをして最悪の空気になりながらもどうにか終わるのですが、この日ばかりは気持ちを収めることができませんでした。
「ガミガミ言われたくないんだよね。そしたら、お母さんなんていないほうがいいでしょ!」そんな捨て台詞を残し、家を離れることにしました。物理的に距離を置いた方がいいかもしれないと思ったのです。
夫に状況をLINEで報告。近ごろのわたしと息子の険悪な関係を知っていただけに、すんなり了承してくれました。下の子のケアについてやり取りして、家出決行です。
向かった先は
最初は近所のビジネスホテルにでも一泊しようかと考えたのですが、奮発して都心の素敵なホテルに泊まるのもいいかも!?なんてことを思い始めて、ウキウキしてきた自分がいました(笑)
悩んだ挙句、結局は以前から興味があった『BOOK AND BED TOKYO』新宿店を予約しました。コンセプトは”泊まれる本屋”で、カプセル型の小部屋に店内の本を自由に持ち込み読みながら寝落ちできるという、本好きにはたまらない場所です。チェックイン時にカードキーが渡されるので、24時間出入りが自由。好きな時に本を読み、好きな時に眠ることができる場所です。よく考えてみると、ひとりで宿泊施設に泊まるなんて出産以降初めてで、毎日仕事と家事と育児に追われる身としては、ものすごい解放感です。
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コロナ渦の影響か18時半に到着した時点では、客はわたし一人のようでした。ひとまず気になる本を数冊ピックアップし、ビールをオーダー。ちびちびと飲みながら、オープンスペースで読書です。至福。
読書に没頭していると、あっという間に夜になっていました。シャワーコーナーがあるのですが、わたしは自宅ですでにシャワーを浴びて夕食も済ませてきたので、そのままカプセル型の「自室」へ。
この日、一番夢中になって読んだのは『オノ・ヨーコという生き方 WOMAN』でした。
平凡な自分とはあまりにもかけ離れた破天荒な生き様。些末な日常に悩んでいたこの日のわたしに衝撃を与えるのに、とても良い役割を果たしてくれた本でした。
ぐっすりと眠り朝を迎えて
子ども達を学校に送り出す準備が必要なく、好きな時間に目覚める心地よさを噛みしめました。気分はスッキリです。
せっかくの自由時間だけにこのまま帰るのは惜しいと、全身マッサージを予約しました。その後のランチをどうしようかと考えていると、タイミングよくフリーランスデザイナーの友人からランチのお誘いがありました。フリーは突発的に動けるのがメリットですね。
友人と落ち会い、ふわふわのパンケーキを食べながら今回の顛末を話しました。気の置けない友人との会話に癒されました。
帰宅して顔を合わせた息子はちょっとバツが悪そうでしたが、その日の夜には普通に会話を交わすようになりました。
そもそも、なぜこんなにイライラして怒ってしまうのか。今回息子と一晩離れている間に、自分へ問いかけました。
結局は「高すぎる期待値と現実とのギャップからくる焦り」なんですよね。こうあって欲しいという理想の姿を描き過ぎている自分がいたのです。息子が持つ個性や良さ、現時点での能力を見ずに、「これが足りない、あれが足りない」とダメ出しばかりでした。これでは息子は潰れてしまう。
諦めることも必要だとしみじみ思いました。諦めというとマイナスな語感ですが、「ありのままを受け入れる」に近い意味での前向きな諦めです。
月並みですが、子育てにおいてとても大事なことなんだと思います。
この日以来、わたしの小言は劇的に減りました。そのせいか、息子が荒れる頻度も以前の1/10程度に減った体感です。
「子どもといえども自分とは別の個性を持っていて人格がある」それを尊重してあげようと自然に思えるようになりました。間違いなくこの日を境に親子の関係は一歩前進しました。有意義な家出でした(笑)
Photo: Sympa
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